私たちの目指す教育
本学で日本語を学んだ卒業生は、進学や就職などで主に日本社会の中で生活しています。
社会の中では、他者と共生する力が求められます。そのとき力を発揮するのは、日本語でのコミュニケーション能力です。
使える日本語を身に付けるため、私たちは教室で様々な活動を取り入れ、コミュニケーション能力の育成を主眼とする日本語教育を実践しています。
「コミュニケーション」とは、言いたいことを一方的に相手に伝えることではありません。もちろん、自分が感じたことや考えたことを的確に伝えることはとても大切です。
しかし、それだけでなく、相手の話をよく聞き、相手の意図を的確に受け止めることも大切なことです。また、お互いの言葉の背景となる文化・習慣を知り、尊重し合うことも円滑なコミュニケーションには欠かせません。
私たちは、日本語をコミュニケーションのツールとし、日本と他の国・地域の架け橋となる人材の育成を目指しています。
ARCの教室活動 教育の特徴
1. 5技能の習得
「読む・書く・聞く・話す」の4技能の習得に加え、「考える」ことも重要です。実際のコミュニケーションは「考える」ことなくして、できないからです。
私たちの学校の授業では、できるだけ「考える」活動を取り入れています。
例えば、初級クラスでの作文やスピーチも、自分のことを述べるための「考える」活動です。
中上級なら、社会問題にについて考え意見を述べる、インタビューやアンケートで収集したデータをまとめ、それらを考察し自分の意見を述べる、など様々な教室活動を行っています。
2. 豊富な教室活動
私たちの学校では、授業でペアワーク、グループワークなどを多く行います。
そこでは、自分の意見を述べたり、相手の意見を聞いたりしながら、互いに学び合うことができます。
日本語使用の機会を増やす目的もありますが、自分とは異なる意見を聞き刺激を受けることや、タスクをいっしょに達成するための協力にも意義があります。
また、ワーク後のプレゼンテーションは日本語使用のとてもよい機会となっています。ときには、そのプレゼンテーションをクラス外の講師や日本人のゲストに聞いてもらい、評価してもらうこともあります。
3. 自律学習の推奨
自律学習とは、自分の目標に対して、どんな学習をどのようなペースですればよいか、どんな教材やサポートが必要かを考え、実行していくことです。
現在、中級以上のクラスの漢字学習に自律学習を取り入れています。学生が個々に学習計画をたて、それぞれのペースで学習を進めています。そして担任講師が中心となり、その自律学習をサポートしています。
4. 選択授業
中級以上のクラスでは、選択授業を取り入れています。自分の希望の進路や興味に基づいてクラスを選ぶことができます。